篠島

徳川家康の名古屋城築城の際、名将・加藤清正が石垣にちょうど良い石として運び出そうとしたものの、あまりの大きさに船に積み出すことができず断念したと伝えられる石です。
古来より神宮領だった篠島は神罰を避けるために小石であっても持ち出しを禁止されていましたが、名古屋城築城の際に禁が解かれました。地元では、清正公がこの巨石を枕にして休んだという説があります。
石にはくさびの痕が残っており、歴史ファンの間では撮影スポットとして親しまれています。

この場所は石切り場にもなっていたため、他にもあちこちにくさびの痕を確認することができます。

風光明媚な島として古くから親しまれ、万葉集にも詠まれている篠島。特に島の西側に浮かぶ「松島」へと沈む夕日は、日本の夕日百選に選ばれるほどの美しさです。
島南東にある「歌碑公園」が絶好の撮影スポットと言われています。

篠島の最南端に位置する太一岬には、伊勢神宮より下賜された古材を使用した鳥居があります。鳥居の先には伊勢神宮があり、伊勢神宮遙拝所・パワースポットとして島民に親しまれてきました。
近年、プロポーズにふさわしいロマンティックなスポットとして「恋人の聖地」に認定され、恋愛成就の祈願のために訪れる人が増えています。
島の駅で売っている、鍵の形をしたキーホルダー「愛鍵」をかけることもできます。

篠島釣り天国は愛知県で唯一の海上釣堀で、篠島港の中に作られています。
生けすの中には鯛やアジ、ハマチ等の大物がたくさん！竿もエサもレンタルや購入が可能で、係員の方が釣りの説明やサポートをしてくれるので、初心者でも安心して海釣りを楽しむことができます。
釣った魚は一人5匹まで持ち帰ることができ、その場で血抜きもしてもらえるなど至れり尽くせり。基本は予約制ですが、空き次第で当日飛び込みも可能です。

篠島の八王子社に祀られている男性神「オジンジキサマ」が、神明神社に祀られている女性神のところへ「オワタリ」をする、神渡り神事です。毎年1月3日・4日に行われています。
オワタリの様子を目にすると祟りがあると伝えられていることから、3日の夕方にオワタリが始まると電力会社によって島中の電気が落とされ、終わるまでの間は島民も観光客も外に出ることは決して許されません。

4日にはオジンジキサマを送る盛大な大名行列のほか、「オタナギサマ」という木に厄を移して海へと流す神事も行われます。

塩漬けにした「御弊鯛」（おんべだい）を「御饌」（みけ）として伊勢神宮に奉納する祭礼です。
1000年以上前、伊勢神宮を建立した際に篠島に立ち寄った「倭姫命」（やまとひめのみこと）が篠島の鯛をとても気に入り、伊勢神宮への献上を依頼したことから始まったと伝えられています。
伊勢神宮へ向かう船団が掲げる「太一御用旗」は伊勢神宮から与えられたもので、太一とは天照大神のこと。つまり、天照大神へのお遣い事であることを表す特別な印です。

篠島祇園祭・野島祭は、餅投げ、花火大会、神事、そして80隻あまりの漁業船による大迫力の船団パレードなど、2日通して見どころたっぷりのお祭りです。

初日の祇園祭の夜に開催される花火大会は篠島港の堤防から打ち上げられるため、間近で花火を観賞できます。この日は花火大会終了後に師崎港～島の臨時船が出るため、日帰りでも花火を楽しむことができます。
翌日の野島祭では、一番の見どころである船団パレードが開催されます。漁船が何十隻と連なって見物客の前を通過していく様子は、勇壮という言葉がぴったり。船を迎えるブラスバンドの演奏と相まって、迫力のあるパレードが楽しめます。

祇園祭の日に篠島へ宿泊すると、野島祭で漁船に乗ってパレードに参加することができます。（先着順）